2008/05/14

LOST WORLD - Everythings Said LP

Kriegstanz / I Shot Cyrus split 7"に続く、「Punks Against G8」関連の作品紹介第2弾。今回は、既に解散したジャーマン・名アナーコパンク・バンド "Lost World" の2ndアルバム "Everythings Said"。リリース元のドイツ・ブレーメンのアナーコパンク・レーベル "Ruin Nation Records" からはまだ入手可能なので、これを読んで興味を持った人はぜひ手に取ってみてほしい。心底パンク/ハードコアの力と可能性を感じることができる作品である。

LOST WORLD "Everythings Said" LP (Ruin Nation Records / Suspiria Records)

世界中のDIYパンクスから愛されるジャーマン・ベスト・アナーコパンク・バンド "Lost World" の2001年録音の2ndフルアルバムにして、ラスト・アルバム "Everythings Said" も「Punks Against G8」を語る上で絶対に外せない作品である。

なぜなら、それは、この作品が、「All benefits from the sale of this record will be donated to "Genoa /
Gothenburg" solidarity group (このレコードの売上のすべての収益は「ジェノア / イェーテボリ」ソリダリティー ・グループ (救援グループ) に寄付されるでしょう」とポスター形式の歌詞インサートに記載されているとおり、2001年7月、イタリア・ジェノアでの反G8抗議、2001年6月、スウェーデン・イェーテボリでの反EU (欧州連合) 抗議で不当逮捕された抗議者の救援費用のためであったこと、また「as long as we turn our anger and fears against ourselves - no system will fall (私たちの怒りや恐れを私たち自らに向けるかぎり ー システムは絶対に崩壊しない)」と彼らが最後に残したメッセージがそのことを物語っているからだ。彼らは、2001年の夏に立て続けに起こった、この資本主義者の忌まわしき新自由主義の押しつけに対する2つの大規模な抗議行動から、何をインスパイアされたのだろうか?
アルバム・タイトルーー「Everythings Said (すべては言われた)」からは、どこかラスト・アルバムらしい雰囲気が醸し出されているが、そうではなかったのだ。彼らは、あくまでも私たちの際限のない可能性を信じることにおいて、「Everythings Said (すべては言われた)」と終止符を打った。言葉では言い尽くしたが、それがあると。もうそれしかないと。俺はそう考えることしかできなかったのだがーーつまり、私たちは「まだまだ共に行ける」・「まだまだ共に生き残れる」と希望を残した。このシステムが崩壊しないある確信と共に。その彼らの「ある確信」が、本作に込められた真の反G8や反EUの意味であろう。
俺は、そう考え、この作品を聞きながら、体の震えが止まらなかった。
サウンドに関しては、1stアルバムに比べると、よりクラスト色が濃くなり、新路線を見せるが、これぞ "Lost World" と言えるメロディ、そして、言わずもがな稀少の女性ヴォーカリスト "Tati" (ちなみに彼女は現在、Apocalipstixというこれまた素晴らしくかっこよいバンドをやっている) のメロディアスで力強いヴォーカルのかっこよさは健在。その新路線によって、さらなるアングリーさも獲得したようだ。全14曲。


Dreams of Freedom
(自由の夢)

大衆が街路で行動している

私たちが憎むすべてに対するアナキストの暴動が起こっている

警官がひどくおびえて逃げ出す
満足した声が聞こえる

自由の夢

憎悪の夢

ナチのクソ野郎が殴られる

奴がまたやられたとしても、私は気の毒だとは思わない

人種差別主義者のクズどもを、私たちは待たない

あなたを待っている

自由の敵は相当するものを得てる

"私たちの怒りや恐れを私たちに敵対するよう仕向けるかぎり ー システムは絶対に崩壊しない" - Lost World

(Review by Acclaim Collective)


Ruin Nation Records : www.ruinnation.org

2 comments:

  1. またまた登場(笑)
    "私たちの怒りや恐れを私たち自らに向けるかぎり ー システムは絶対に崩壊しない"
    は、ホントそう強く思わせてくれる言葉ですね。だから、自分達は「どう繋がるか!?」をシリアスに楽しく模索する(=生きる)しかないと思う。分かる人だけでなく(笑)

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  2. 遅すぎる登場。

    コメントを見れるようにしたんで、これからもどんどんよろしく。

    というか、このPAG8も更新しないとな。

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