2021/04/19

【紹介】7・20 排外主義によく効く表現行動!(福岡)

この動画は、2009年7月20日、福岡での「排外主義によく効く表現行動!」(以下、「表現行動!」)において、在特会が「道路使用許可をとっていない犯罪左翼」を糾弾するべく、「排外主義によく効く表現行動!」に妨害を行ってきたことを公式に記録したものである。近年の日本における反レイシズム運動においては、あまり知られていない動画だと思う。10年以上前にもなるが、参考として紹介しておきたい。

「表現行動!」は、「フリーターユニオン福岡」(Acclaim Collectiveからリリースした福岡のGotchaのメンバーも在籍していた)が中心となって組織された排外主義に反対する行動体である。

また「表現行動!」は「レイシストをしばき隊」以前の反レイシズム運動の記録でもあるが、在特会に対する批判の根源が現在の反レイシズム運動の「それ」とはかなり異なっていた。在特会を生み出す日本社会にこそ排外主義の原因があり、私には「レイシスト」と「反レイシスト」の間に本質的に隔てるものはないとするような立場とも読み取れる。

以下、「排外主義によく効く表現行動!」【声明】を全文掲載:

【声明】

私たちは共に自由に生きる!

差別、分断、排除をやめろ!

2009年4月11日、埼玉県蕨 (わらび) 市で、不法滞在を理由として両親が強制送還され、日本政府により家族と別れて暮らすことを強いられた女子中学生の自宅・学校周辺に押しかけたうえで、「犯罪を侵した外国人は家族もろとも日本から出ていけ」などと主張する卑劣なデモがありました。このデモを主催したのは「在日特権を許さない市民の会 (在特会)」であり、この団体は、外国人を共生すべき他者としてではなく「潜在的な犯罪者」とみなして差別し、「ヨーロッパ人やアメリカ人は受け入れられるが、朝鮮人や中国人はどこにでもいて、他の人種よりも百倍も犯罪をひき起こしているからダメだ」「韓国人は対馬にムクゲの花を植えて対馬を乗っ取ろうとしている」「行政と結託した極左暴力集団が我々の国民運動をつぶしにきている」というような、強迫観念にとりつかれたとしか思えない発言を繰り返しています。在特会は現在、そのような強迫観念にかられるように外国人参政権に反対するデモを全国各地で行っており、7月20日には福岡でもデモ行進を企画しています。

私たちを含め多くの人が、格差や貧困がひろがるこの社会のなかで、さまざまな不安を抱えて生きることを強いられています。在特会に集う人々は、そのような不安を取り除くため、想像の中で純粋無垢な「日本」を描き、そこに精神的な拠り所を見出し、その拠り所を「外敵から守る」という妄想にかられた言動を繰り返しているのでしょう。インターネット上で「ガイジンとサヨク」を馬鹿にする動画を公開して悦に入っている在特会…底無しに哀れです。

しかし、かれらがいかに哀れな連中であるにしても、在特会のような動きは、現在の日本において人々の生や労働が不安定化し、分断と格差が生じる現実を覆い隠すために「日本人」という人種的なまとまりや「国民としてのプライド」をでっちあげてゆく政治に連なるものであり、見過ごすことはできません。在特会のような排外主義は、好景気の時には外国人労働者をさんざんこき使い、不要になった分だけ潜在的犯罪者として排除するようにして、次々と改悪されている日本の入国管理政策とも連動しています。また私たちは、社会が流動化・不安定化する中で不安心理にかられた日本人が事実無根の疑いを「外国人」にかけてリンチ・虐殺にまで至ってしまった余りにも悲痛な歴史を知っているはずです (関東大震災時など)。在特会の吐く数々の醜い言葉には、紛れもなく虐殺の予感が潜んでいると言わねばならないし、「同じ土俵に乗るな」と言って放置していれば済むものだとは思えません。たしかに私たちは、在特会に集う人々の妄想などとは何の関係もない、多様な生をつなぎ、他者と共生する文化・社会の創造をこそ目指していますが、あのような排外主義者たちの醜悪な発言が公共空間で垂れ流されることを黙認することはできません。

私たちはみな、この資本主義社会の中で他者と分断され、競争することを迫られ、力を持つ国家や金を持つ企業によって翻弄される不安定な貧民であり、労働者です。私たちはそのような力や流れに抵抗するためにも、分断線を乗り越えて他者と繋がり、共に自由に生きてゆくことを目指します。私たちは排外主義に対する反対の意志を表明し、多様な生をつなぎ、有象無象の他者とともに新しい文化・社会を作ることを目指す表現行動を行います。7月20日の行動への多くの方の参加と賛同を呼びかけます。

7・20 排外主義によく効く表現行動!(福岡):http://720action.blog85.fc2.com

2021/04/16

【紹介】太田昌国のコラム : 山本太郎氏の「外国人労働者」の捉え方について

 「選挙」に関連して、常に「よりましな候補者」を選ぶことが、現在の「反権力」運動の目的になっているような気はする。この記事は、その「よりましな候補者」さえも本質的に何を言っているのか真っ当に批判したものである。

「制度」が押し付けてくる―ここでは「選挙」だが、山本太郎のような「制度」の「改良」を望む(「廃止」ではなく)人物に対しては、まず「疑問」を持ったほうがいいというのは、私の「反選挙」の基本的立場でもある。問題を引き起こしているのは一体「誰」なのか。

・2019年8月11日付「太田昌国のコラム : 山本太郎氏の「外国人労働者」の捉え方について」(レイバーネット日本)

" 今回の参議院議員選挙で山本太郎氏が率いる団体(その固有名詞を引き写しすることはしたくない)が、無風で退屈極まりない選挙状況に一定の波紋を投げかける役割を果たしたことは、その立場への賛否を超えて、疑いようもない。氏の街頭演説は「相互対話性」に満ちており、口汚いヤジにも的確に応答する。内容的にもひとの心を掴む勘所をおさえている。氏が声をかけて立候補を要請した人びとの顔ぶれを見ても、この社会が現在抱えている問題の在り処をおのずから明らかにしていて、巧みだ。社会を覆い尽す無風状態、選挙に対するしらけた感情、与野党の判別がしかとはつかぬ翼賛状況――こんなただ中にあって、ある種の「熱狂」が氏の周辺に巻き起こった理由は十分にある。 "

Continue:

http://www.labornetjp.org/news/2019/0810ota

レイバーネット日本:labornetjp.org

2021/04/15

「レイシストをしばき隊」以降の反レイシズム運動について

Acclaim Collectiveの反レイシズム「行動体」として、「Punks Against Racism」を立ち上げた経緯は「ここ」で述べた。

私の反レイシズムに対する考えは、「レイシストをしばき隊」(以下「しばき隊」・現「Counter-Racist Action Collective」)が、2013年2月に新大久保で在特会に対して行動したことが「転機」となったといってもいい。

「しばき隊」の「社会」の目など気にしないという立場、「敵」に対して物怖じせずいう態度、そしてその「口の悪さ・言葉の汚さ」に、私は少なからず感銘を受けた。当時、友人・知人の「左翼」から、「しばき隊」界隈の差別の再生産を生むような言動に対する批判もあったが、私は彼らの行動「スタイル」を重視し、あえて目をつむった。

私が「しばき隊」を支持したことによって、そのような「左翼」との確執が生まれ、またその後の「しばき隊」界隈のレイシストに対する言動が極端になるにつれ、今度は「しばき隊」界隈との確執が生まれた。この頃から「界隈」は「カウンター」とも呼ばれるようになり、「レイシスト」の出自や容姿、「能力」への攻撃に終始するような言動が目立っていった―あるいは、「レイシスト」を「社会の例外」と見なしていくようになり、自省のない運動に変わっていったと思う。つまり、私は以降、双方と対立していくこととなる。

今となってはもう誰も気にしてないと思うが(笑)、Twitterでの「やりとり」だけで終わってしまった「あやふやな部分」を、このブログで少しづつ説明していこうかなと思っている。

2021/04/13

【Acclaim Upcoming Releases】SOCIALSTYRELSEN - I Krossade Speglars Skärvor LP (ACM035)


Acclaim Upcoming Releases 2021

SOCIALSTYRELSEN - I Krossade Speglars Skärvor LP (ACM035) ¥価格未定

スウェーデン・カルスタードのクラストハードコア。2020年6月にリリースされた1st LP "Med Rädsla För Livet" に続く2nd LP。「M:40 meets Protestera」とでも形容できるサウンド。Halvfabrikat Records (スウェーデン)、Phobia Records(チェコ)を始めとする、全世界6レーベル共同リリース。

【Review】THE INB / FILASTINE - No G8 Action Japan Benefit split CD

2008年リリースと古い作品になるが、東京の「U-Do-Sha / Irregular Rhythm Asylum」からリリースされた "THE INB / FILASTINE - No G8 Action Japan Benefit split CD" のレビューを紹介。

「反G8」に関する作品だが、私がおそらく2012年に書いて当ブログに掲載していなかった。元々は、Acclaim Collectiveの旧ウェブサイト(現在は閉鎖)に掲載していた。当ブログは「Punks Against G8」から「Punks Against Racism」に名前は変えたが、一応記録として更新。

本作は、Acclaim Collective Web-Storeでも「まだ扱っています」。今聴いても色褪せない素晴らしい作品なので興味あればぜひ。

・THE INB / FILASTINE - No G8 Action Japan Benefit split CD

Year Released: 2008
Format: CD
Label: U-Do-Sha / Irregular Rhythm Asylum / No G8 Action Japan

2008年7月に開催された北海道・洞爺湖でのG8会議への抗議行動・対抗運動の一環として、「音楽」による取り組みもこの界隈で着々と進行された。Acclaim CollectiveもGotcha / Rosapark "Punks Against G8" split CD (ACM023) をリリースしたが、その先陣を切って、U-Do-Sha / Irregular Rhythm Asylum / No G8 Action Japanから本作がリリースされた。本作はタイトル通り、その北海道・洞爺湖で開催されるG8に反対するネットワーク "No G8 Action Japan" へのベネフィットだった。まぎれもなく先陣を飾るにふさわしい内容だと言えよう。

The Infernal Noise Brigade (以下I.N.B.) は、1999年・シアトルでのWTO会議に対する抗議行動の騒乱の最中にデビュー、その後、2000年・プラハでのIMF/世界銀行総会、2003年・メキシコ・カンクンでのWTO会議、2004年・ニューヨークでのアメリカ合衆国共産党全国大会、そして2005年・スコットランドでのG8会議など、世界各地の抗議行動の場にも現れた。彼らはそこにいた抗議者たちを終始鼓舞・乱舞させる熱演を繰り返してきたアナーコ・マーチング・バンドである。私はこうしたグループが存在することに人間の「生」に対する途方もない情熱を感じずにはいられない。

シアトルのアート系ニュースペーパー「ザ・ストレンジャー」がI.N.B.の「訃報」において、(I.N.B.の行動における)「最も重要で、かつドラマティックな出来事は警官隊との攻防戦」であると記していた。とりわけ東京におけるデモに参加したことがある人なら分かると思うが、そこでは終始、警察によって車道・歩道の両側から挟まれるという、いわゆる「サンドイッチ状態」の「光景」が権力によってつくり出される。それはまさに毎朝の出勤時、ホームの地下へと続く窮屈な壁に挟まれた階段を何の会話もなしに続々と人々が上り下りしていく「光景」と似ている。つまり、そのデモにおける「光景」と私たちが日々生きている (目にする) 「光景」はまったく同じだということである。私がI.N.B.に対して抱いた、その人間の「生」に対する途方もない情熱を私たちすべてが「共有」しうる鍵がここにあると思う。

私は彼らを生で体験したことはない。だが、本作を聴いて、あらゆるシステマチックな場面 ーつまり、前述したデモや日常の「光景」から「生」がみるみる解放されていくのを感じた。この感覚は私だけのものではないと信じたい。ー「最も重要で、かつドラマティックな出来事は警官隊との攻防戦」ー彼らは警察隊と対面するときこそ、私たちすべての「生」が解放されるチャンスであるーそう私たちすべてに伝えたかったのかもしれない。ここまで書いてきて、もうお気づきの方もいるかもしれない。あらゆる「壁」との攻防戦を抜きにして、I.N.B.の本質は見えてこないのだ。ここが凡百のマーチング・バンドと彼らの決定的な違いのような気がする。未発表音源を収録の全11曲。とにかく圧巻の一言だ。

そのI.N.B.の創設者であるFilastineは「…国境をぶっ壊すための国境を越えたサウンド・トラックを世界各地にばらまき続けるアナキストDJ…」ということだ。これは当時、本作の宣伝サイト (IRA) に掲載されていた紹介文から抜粋したものである。活きたリズム・電子実験・現場における標本抽出・多言語的なヴォーカルなど、広範囲のミックス・スタッフで創作される。革命の「音」はまさにその説明そのものだ。本作で聴くことのできるミックスは集大成的な大作である。

私はもっとも危険な幻想とは一つの現実しかないと信じることだと思っている。2008年7月、北海道・洞爺湖に集結した「G8」はまさにそのことを象徴しているものである。たった8カ国の首脳によって、あらゆる物事が決定され、人と人との繋がりが分断させられ、私たちの可能性が萎縮させられ、私たちの「生」は滅茶苦茶にさせられるのである。私たちはそのような「一つの現実」は絶対に拒絶しなければならない。本作には情熱・刺激・楽しさ、さらには「The Future Is Unwritten」(未来は何でも起こりうる)といったゾクゾクする感覚を提供する革命的な「音」が詰まっている。

Reviewed by Kazu Acclaim on 2012