2008/04/27

ジェノバはいたるところにあるのだ! - Genoa is Everywhere!

ジェノバはいたるところにあるのだ! - Genoa is Everywhere!

2001年7月、イタリア・ジェノバでのG-8サミットに反対するデモ及び戦闘の間、大きなムーブメントとなっていた『グローバリゼーション批判派』に対する警察の暴力は、この日絶頂に達した。23歳のデモ参加者カルロ・ジュリアーニは、騒動と混乱の中、カラビニエリ (註:イタリア国務省直属の特務警察) によって殺害された。彼は故意に頭を撃たれ、しかもその後、特殊警察のジープに轢かれた。そのジープには、特務軍警察部隊のメンバーが乗っており、さらにその一人の誰かが致命的な一発を発砲した。


これとは別に、警察は信じられないほどの残忍な作戦を展開した。平和的な抗議者たちは、催涙弾で攻撃され、殴られ、拷問を加えられ、さらに拘束された。また、警察がジェノバ社会フォーラム (註:Genoa Social Form(GSF)。反サミットの現地のコーディネート役を担ったNGO組織) の宿泊施設の一つであったディアス・スクールを強襲した夜、眠っていた施設利用者は警察部隊によって自力で施設から出ることが出来なくなるほどの暴行を受けた。彼らは担架に乗せられて建物の中から出なければならなかった。その夜、約30台の救急車が負傷者のために出動した。この期間中、何百もの人々が拘束された。抗議グループに影響された人々の多くは、警察署内やデモ参加者の集会場所での警察の激しい虐待を報告している。


また、多くの人々が帰宅中に逮捕された。彼らが突きつけられた唯一の非難は、彼らがおそらくブラックブロック (註:Black Bloc。シアトルの反WTO闘争で一躍知られる存在となったアナキスト主体の連合体であり、行動があるたびに諸グループ・個人が一時的に結集してリゾーム状の組織体を結成し、直接行動を取る。異義申し立ての空白間、この連合体は存在しない) のメンバーだった、ということだ。非難の根拠が事実から派生したものであればまだしも、手荷物に黒い衣服が含まれていただけでさえ、その非難の根拠とされたんだ!


この記事はサミットの2ヶ月後に書かれたのものであるが、未だにデモ参加者4人が拘束され、さらに別の4人が逮捕されたままである。そして、釈放された数人の活動家に対する訴訟手続きが既に始められている。こういった訴訟において、法定費用やその他の莫大な経済的負担による凄まじいまでの心理的圧迫が、今後の彼らに圧し掛かると想定される。


この問題を解決するために、僕たちはこの7"を売ることによって得られる資金の一部をベルリンにあるAnw*ltinnen-Ermittlungsausschuss Berlin (調査のための弁護士委員会) へ送ることに決めた。


Strike Anywhere & Scene Police, 2001年9月

This statement was taken from the Strike Anywhere "Underground Europe 2001 Genoa Benefit EP" 7"

註 : 2001年7月、イタリア・ジェノバでの反G8抗議における、警察によるカルロ・ジュリアーニの虐殺及び抗議者たちへの卑劣かつ残忍な暴力に対して、DIYパンク/ハードコア・ムーブメントからいち早く反応したのが、アメリカ・バージニア州リッチモンドのポリティカル・メロディック・ハードコア・バンド "Strike Anywhere"、そして今は亡きドイツのDIYパンク/ハードコア・レーベル " Scene Police" であった。この「Genoa is Everywhere (ジェノバはいたるところにあるのだ!)」と題された共同声明は、そのScene PoliceがリリースしたStrike Anywhere "Underground Europe 2001 Genoa Benefit EP" に掲載されたもの。また、この7"は、2001年のStrike Anywhereのヨーロッパ・ツアーのためにリリースされたもので、99年のデモの4曲をEP化。今は大人気の彼らであるが、当時はまだまだ無名であり、この小さなドイツのDIYレーベルからリリースしていたことは貴重な事実と言えるだろう。しかも、タイトルや上記の声明にもあるとおり、そのジェノバ反G8闘争で、不当逮捕された人々の訴訟費用のためのベネフィットである。かっこよすぎだ。この7"は現在、入手不可。ちなみに、この日本語訳は、当時自分が訳したもの。

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